「雨の日は会えない、晴れた日は君を想う(原題・Demolition(解体))」の鑑賞レビューです。
「雨の日は会えない、晴れた日は君を想う」の邦題の意味は映画の終盤でわかるのですが、実際の原題はDemolition(解体)です。
主演:ジェイク・ギレンホール, ナオミ・ワッツ, クリス・クーパー
交通事故で妻を亡くしたデイヴィスが、死別後の悲しみ、喪失感、孤独、不安、混乱をコントロールできず、壊れた心の「投影」で周囲の物を解体しつくしていき、ついには自分自身も解体しながら、自分の本質に気付いていく・・・という映画です。
ここからはネタバレになるかもですので、これから映画を観る方は鑑賞後に読んでいただければと思います。
自分を一度徹底的に壊す・破壊しなければ、本当の自分、新しい自分にたどり着けないのかもしれないなぁと感じる映画でした。
Contents
交通事故で妻を亡くしたデイヴィスが少しずつ壊れていく
同乗していた車での交通事故で妻を亡くしたデイヴィス。
妻を亡くしたデイヴィスはなぜか悲しみの感情がでてこない自分に葛藤します。
自分は妻を愛していなかったのでは?
たんに利用していただけでは?
そばにいて苦痛ではない人としてみていたのでは?
自分の感情を思うように出せないデイヴィス(泣きたいのか?泣きたくないのか自分でわからない)は、以前聞いた「言葉」をきっかけに身近な物を解体する衝動に駆られ色々な物を解体し、破壊していきます。
思うように感情が出せない反面、解体と破壊の行動がエスカレートし、自分の仕事や日常まで壊しいくデイヴィス。
周囲の人々はエスカレートしていくデイヴィスの行動に戸惑います。
それでも徹底的に周囲の物や日常を解体・破壊し尽くすデイヴィス。
徹底的な破壊と解体の先にデイヴィスがみつけた「自分の内側にあった感情」とは・・・・。
大切な人を失った方なら、デイヴィスが周囲を徹底的に破壊する気持ちがわかると思います。
周囲を破壊することで本能的に自分の心を解体している?
上記していますが、「雨の日は会えない、晴れた日は君を想う」の邦題の意味は映画の終盤でわかるのですが、実際の原題はDemolition(解体)です。
実際、大人になると、本当の自分って細かく細かく丁寧に「解体」「分解」していかなければわからないのではないかと思います。
デイヴィスは自分で解体どころか、破壊をしていきますけど。
人間は本質的に破壊しなければ、創造にならないことを知っているのかもしれませんね。
人生の中で大きいショック・・・、「雨の日は会えない、晴れた日は君を想う」でのディヴィスは死別ですが、自分が「大切」と思っていたものがなんらかの外的要因で壊れてしまった時・・・。
それこそが本当の自分に気づくチャンスなのかもしれません。
辛いですけどね。。
徹底的に周囲を壊す行動は、実は自分に覆いかぶさっている何かを壊す行動につながっていたんでしょうね。
私自身も死別から数年をかけて、今までの自分の常識や考え方を壊したりしてきたのかなぁと思いました。
一度破壊してみる。その隙間から希望が差し込むはず。
もし心身が壊れてしまうような出来事があったとしても・・・、その壊れたヒビ、隙間から新しい光・希望が差し込んでくるものだと人生の先輩方は教えてくれています。
閉じていく思い出の そのなかにいつも忘れたくない ささやきを聞くこなごなに砕かれた 鏡の上にも新しい景色が 映される
There is a crack in everything, that’s how the lights get in.
全てのものにはヒビがあり、そこから光が差し込む。
ひび割れた胸の隙間に 幸せ忍び込むから溜息はつかない
私も大事なものを失ってポッカリ心に空いた人間となってしまった感じがありましたが、今はそのポッカリと空いた穴をそのままにして、新しい経験や出会いで埋めていけたらなぁと思っています。
死別直後は映画やドラマ・本・アニメ・漫画を徹底的に観るのもあり
死別直後は映画や本、アニメ、漫画で色々なストーリーや考えに触れるといいかなと思います。
人に会って話をしたり、話を聞いたりしても、誰にも理解してもらえないと傷つくことも多いので。
もちろん信頼できる人や尊敬できる人なら別ですが、絶対の信頼をしている方がいないよ・・・という方は、気になる映画や本、漫画、アニメなどを観てみることをおすすめします。
以上、「雨の日は会えない、晴れた日は君を想う」の鑑賞レビューでした。
ありがとうございました!
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