「わたしに会うまでの1600キロ(原題・Wild)」の鑑賞レビューです。
「旅にでる。本当の自分を見つけるために」
この映画のキーワードですね。
死別、離婚、ドラッグ&性依存でどん底まで落ちた女性が、1600キロのトレイルロードを三ヶ月かけて、しかもたった一人で踏破した実話の映画化です。
主演 ローラ・ダーン, トーマス・サドスキー, W・アール・ブラウン
心の支えだった母親との死別により喪失感によるショックから、夫を裏切りドラッグと色々な男たちに溺れたシェリル。
本当の自分を取り戻したいと願ったシェリルは、たったひとり砂漠と山道を1600キロ歩く辛く厳しい孤独なトレイルの旅に出る・・・。
シェリルは、慣れないトレイルの過酷な旅をしながら、今までの自分を見つめ直します。
ここからはネタバレになるかもですので、これから映画を観る方は鑑賞後に読んでいただければと思います。
Contents
死別、離婚、ドラッグ、性依存でどん底へ
心の支えだった母親との死別により喪失感によるショックから、夫を裏切りドラッグと色々な男たちに溺れたシェリル。
父親からの暴力のトラウマ、生活の苦しかった幼少期・・・。
そんな中でも明るく家族を守りながら過ごしていた前向きな母親の在りし日の思い出、病床に伏せて苦しむ母親の姿、助けたくても助けられずに病院で見守った日、母親との死別のショックからドラックや男に溺れ優しかった夫を裏切ったこと、望まない妊娠をしたことなどの過去の後悔や葛藤が心を支配して・・・
苦しくて苦しくて、どうにかしたいけど、どうしてよいかわからない。
迷ったシェリルはどん底まで落ちていきます。。
旅にでる。本当の自分を見つけるために
どうにかして、このどん底から抜け出したい、でもどうしていいかわからない・・・。
そんなとき、シェリルはある日、たまたま見つけた旅の本を手にし、トレイルの旅にでることに。
旅をしたからどうなるのか?そもそも過酷なこの旅を続けられるのか?
お金も尽きかけて今後どう生きていくのか、何もかも自分から放棄してしまった自分への後悔と、これからの未来への不安。
それでも踏破すると決めた1600キロの過酷な道程の中、様々なハプニングや出会いがシェリルを癒やし、気付きを与えます。
後悔や不安を打ち消すために、ただひたすら目の前の道を歩くことが救いのようにみえました。
みんな挫折の連続。でも仕方ない。自分が選んだ道なんだから、仕事も結婚も
厳しい自然の中でのトレイルに何度も挫けそうになるシェリル。
それでも少しずつ歩みを進めていく中、様々な人に出会います。
途中で助けてくれたトラックのおじさんはポツリと一言・・
「みんな挫折の連続
仕方ない」
シェリルは問います。
「後悔はしていないの?」
トラックのおじさんは答えます。
「自分が選んだ道なんだから
仕事も結婚も」
シェリルは大切な「何か」にたどり着きそうになり、またトレイルの旅を続けます。
シェリルの行き着いた結論は・・
厳しい道程の中、出会いとハプニングの続く旅の中で色々なことに悩み、考え、それらを捨て去り、ボロボロになり自分と向き合いながら歩くシェリル。
旅が終わりに近づくなかで、シェリルは自分を許すかのように号泣し、あることに気づきます。
もし時が戻ってもきっと同じ事をするだろう。
過ちがあったからこそ今の私がいる」
今までの過去を壊し、整理し、立て直したシェリルはついにゴールの瞬間を迎えます。
まとめ
旅っていいなぁと心から思う映画でした。
ちなみに、1600キロといえば福岡~青森の距離と同等です。
歩いて数ヶ月、旅をして自分を徹底的に見つめ直してみたいなぁと心から思いました。
人は悩んだり、苦しいときに旅をしますね。
旅といっても、まるで「お遍路さん」のような厳しい自然の中を自分の足で歩き、心身ともに徹底的に追い込むことで徹底的に自分と向き合うというような修行のような旅ですけど。
ですが、「雨の日は会えない、晴れた日は君を想う」と同じように、厳しい旅の中で徹底的に自分を解体して分解して、本当の自分、人生の本質に気づいていくんですよね。
「ジャン=マルク・ヴァレ」の映画は、ほんとに人生の本質を教えてくれる映画が多いですね。
今どん底にいる女性の方、男性の方、すべてに観てほしい映画でした。
以上、「わたしに会うまでの1600キロ(原題・Wild)」の鑑賞レビューでした。
ありがとうございました!
↓ジャン=マルク・ヴァレ監督が違った視点で人生を解体して、自分を見つめ直していく過程を描いた「雨の日は会えない、晴れた日は君を想う(原題・Demolition(解体))」のレビューはこちらです↓

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